ここ数日、大きな山火事が発生してニュースになっています。
原因は人為的な火の燃え移りや不始末であるようです。

焚き火はもはやキャンプの楽しみとして無くてはならないもので誰もが手軽に楽しめるようになってきていますが、同時に、火を扱うことなので一歩間違えば危険が伴うことは常に意識していなければなりません。

実際、焚き火をしているときに火の粉が飛んで衣服やテントに穴が開いた、という話はよく聞きますし、もしそれが木々や枯れ葉に燃え移ったりしたら…

過度に委縮する必要はありませんが、そういう危険性があるということをしっかりと認識し、適切な準備や対応をして焚き火を楽しみましょう。

1.焚き火台の周りに燃えやすいものを置かない

焚き火の周辺に燃えやすいものがないか、確認しましょう。
一番危険なのは、枯れ葉や枯れ草です。とくに山の中で野営をする場合など、枯れ葉や枯れ草はもっとも火が燃え移りやすいので注意が必要です。とくに冬場は秋に落ちた枯れ葉が乾燥して積もっているため危険と言われます。まず枯れ葉が敷き積もっている場所での焚き火は厳禁、と肝に銘じておきましょう。焚き火場所の周りは枯れ葉など燃え移りやすいものは遠くに掻き寄せて十分な距離を確保し、上部にも火が移りやすい木や枝がないように、開けた場所でやるようにしましょう。

芝生などの整備されたキャンプ場でも、火の先に衣類を掛けていたりテントのタープがないように、十分に間隔を空けます。また薪や焚き付け材も使わないときは焚き火台から離しておいた方がよいでしょう。

また万が一火が燃え移ったり不測の事態があったときの場合に備えて、バケツに消火用の水を用意しておきましょう。

すこし話はズレますが、最近は直火禁止のところで直火で焚き火をし地面を焦がす、という迷惑行為もよく見られるようです。直火は言うまでもなく、焚き火台の下も高温になりますから、ベースプレートや耐熱シートを必ず使用するようにしましょう。

2.火を大きくしすぎない

火が大きくなれば、その分火の粉が飛んだり何かに燃え移ったりするリスクは高くなるでしょう。

焚き火台や薪のサイズにもよりますが、最初に着火するときには2~3本にとどめ、火が全体にまわってきてから、その大きさをみて必要に応じて薪を追加でくべましょう。最初から井桁組みのように高く積むのは、キャンプファイヤーのような大きな炎になってしまうので、必要のないときは避けたほうがよいでしょう。

3.風の強い日には焚き火をしない

風が強い日は、それだけで火の粉が飛びやすく、また燃え移ってしまったときに火が拡大し延焼するスピードも速くなってしまいます。焚き火以外にもモノが飛ばされやすかったり、テントも張りにくかったりしますので、強風の吹く日はキャンプには向かないと割り切りましょう。

キャンプは自然の中で楽しませてもらうもの。自然には抗わないようにしたいものです。

4.火の粉が爆ぜない、よく乾燥した薪を使う

大きな火の粉が爆ぜて飛んで行ってしまえば、いくら周囲に気を付けていても危険は排除できません。リスクを最小限に抑えるには、そもそも火の粉が爆ぜないようにするべきです。

ではなぜ火の粉が爆ぜるのでしょうか。焚き火のときに「バチッ」と音がするのは、木の中に閉じ込められている水分が熱で水蒸気になり膨張し、木の繊維が割れるためです。薪はよく乾燥していても水分がゼロにはなりません(十数パーセントくらいは残ります)ので、まったく爆ぜないということはできないのですが、それでもよく乾いていれば「パチ、パチ…」と心地よい小さな音がするだけで火の粉は飛びません。ビックリするような「バチッ」という爆発音がするのは、明らかに乾燥が甘く水分が薪の中にたくさん残っている証拠です。

乾燥していない薪は火付きが悪く、煙やススも大量に発生し、さらに火の粉が飛んで火災の原因にもなるとなれば、良いことは全くありません。キャンプ場に用意してある薪は(すべてのキャンプ場がそうではありませんが)乾燥が甘い場合もあります。

行ってみなければ良い薪があるかどうかわからないというのは不安ですしリスクでもありますので、事前に良い薪を調達して準備しておくのが賢明だと思います。

最後に

自然は人に様々な恩恵をくれますが、ときに脅威となります。
火もまた同様に、我々にエネルギーを与え癒しをくれますが、一歩間違えば危害をもたらす危険なものです。
私たち一人ひとりが自分の行動に責任を持つことが大事ではないでしょうか。

とはいえ、普段の生活の中でも危険は潜んでいるもの。過度に怖がるのではなく、リスクを適切に低減してうまく付き合うことが肝要です。

きちんと準備をして、適切なやり方で、大事な焚き火の時間を楽しんでください。


ここまでお読みくださりありがとうございました。


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