私たちメヤマキは、「薪は焚き火の時間を演出する最重要アイテム」をモットーに、こだわりの高品質な薪を提供しています。
そのため、お世辞にも「安い薪」とは言えません。
最近はいろいろと物価が上がっているなかで、薪も高くなっているという話も聞きますが、それでもキャンプ場やホームセンター等で売っている薪は安いものもあったりしますよね。(「薪がタダ!」というのを売りにしているキャンプ場もあったりするそうで…)
やってみたことがある人ならわかると思いますが、薪だってイチから作るのは切って割ってでそりゃもう大変。そんな薪がなぜ「安い」ものがあるのか?
私の知りうる限りでその「理由」を解説してみたいと思います。
違い① 原料
「安い薪」の場合は、そもそも原料が違うことが多いです。
「原料って『木』であることは同じでしょ?」と思われるかもしれません。そのとおりですが、ここで考えたいのはその「由来」です。
よくあるのは、木工所等で木製品を加工する際に出る「端っこ(=端材といいます)」を「薪」として売っている場合です。かなり細くてきちっとした長方形をしている場合はこの「端材」である場合が多いかと思います。
この場合、端材は木製品を加工する際の副産物であり、用途がなければ燃やすしかないものです。なので、基本的に原価ゼロとして考えて売られていることが多いです。ゆえに、販売価格も安い。
あと「端材」はたいてい、針葉樹であることが多く、焚き付けには向きますが長くゆっくり焚き火を楽しむには向かないことも留意したいところです。
違い② 生産規模
薪も一種の工業品ですから、大量生産すればコストは安くなります。
大量生産するためには、機械化が必要です。何百万円、何千万円の機械を導入すれば、生産工程は自動化され、各段に生産スピードがあがり、大量につくることができます。
あとは大量につくった薪を乾かす場所。これも生産量に比例して広大な土地が必要になります。もしくは、それなりのお金をかけて、人工的に乾燥させる設備をつくっている薪屋さんもあります。
安く作るには最初に土地とお金が必要なのです。
違い③ 梱包、荷姿
薪が売られている姿をイメージしてください。だいたい、そのまま束になって売られていますね。これが一番シンプルでとくに手をかけない荷姿でしょう。(実は針金や紐で結束するのはそれなりに面倒なのですが…)
キャンプ場などではバラでコンテナケースなどに入れられて販売されていることもあるかと思います。
どうせすぐ燃やすものであれば、梱包や荷姿は最小限にしたほうが安く提供できるのは明らかですよね。
違い④ 運賃
薪を販売場所までもっていくにはトラック等に積んで運ぶ必要があります。薪が作られるところのすぐ近くに販売所を設けたり、近くのキャンプ場にもっていけば、運賃はさほどかかりません。地産地消ということで言えば、作ったものを近くで消費するに越したことはありません。
逆に言うと、通販等で生産地から遠いところに届けようとすると、どうしても運賃(送料)がかかります。これは避けられませんね。
で、メヤマキはどうなのか
メヤマキはというと、上記に挙げた「安い薪」の条件にはだいたい当てはまりません!笑
まず、原料は「端材」でなく、里山等から切り出された木を林業屋さんから買っています。ちゃんと森を壊さないように計画的な整備のなかから切り出された木を使っていますので、当然林業屋さんにもそれ相応の対価をお支払いしています。そのことが、放置されている里山をきれいにし、安全な国土と豊かな水をはぐくむことにつながります。
生産規模は、全然小さいほうだと思います。メヤマキは薪づくり事業を立ち上げたばかりで、使える土地も狭ければ、高い機械を買うお金もありません。それゆえ、逆に手作りに近い作り方でひとつひとつの薪を丁寧に割っています。
また、梱包にはこだわっています。そもそもネット通販がメインの販売ルートなので段ボールにきちっと詰めますし、中の梱包や付属品にもこだわり、箱を開けた瞬間からワクワクするような荷姿を心がけています。
製造から発送まで、手間ひまをかける分、作業してくれる人の人件費がかかりますが、これも西目屋村という小さな村で雇用をつくっているという自負はあります。
そして通販なので送料は免れません。メヤマキは全品「送料無料」としていますが、お客様から別途送料をいただかないだけで、コストとしては送料はかかっています。こればかりは全国の皆さんにメヤマキの薪をお届けするためにはどうしようもないですが、少しでも合理化してコストダウンできるように努めていきたいと思っています。
結論:好みで使い分けよう
「安い薪」とメヤマキの違いを書いてきましたが、別に「安い」ことを否定したいわけではありません。(安い薪はいいですが、「乾燥してない薪」はダメです!煙モクモク、火の粉バチバチの原因になります!)
キャンプで何にお金をかけるかは人それぞれですし、頻度の高い人はそうそう毎回薪にお金をかけられない、というのもよくわかります。
なので、その人の好みや状況で、「安くて良い薪」が手に入るならそれを使えばいいですし、薪にもこだわりたい人や「たまにはいつもと違う薪を使ってみようかな」と思っていただければ、メヤマキに手を伸ばしてもらえればうれしいです。