キャンプ初心者にとって苦労するのは焚き火の火おこしかと思います。
失敗しない為に、着火剤やバーナーを使う方法もありますが、
やっぱりファイヤースターターを使った方法で火起こしできたらカッコよくありませんか?
あくまで私個人の考えですが、焚き火での火起こしにおいては、麻ひもをほどき、ファイヤースターターで着火する一連の所作は、ちょっとワイルドで、楽しめるちょうど良い「手間」だと思っています。
そこで今回は、ファイヤースターターを使った方法で、しっぱいしない火起こしの仕方をご紹介します。
用意するもの
・麻ひも
・ファイヤースターター(メタルマッチ)
・ナイフ
・薪
・焚き火台
手順
(1)下準備
1.麻ひもをほどきます。20cmくらいの長さ2本程度でしょうか。手のひら分くらいの量になるかと思います。これが火口になります。
2.針葉樹薪をナイフでバトニングして、細割りの焚付け材を作ります。
3.適度なサイズにバトニングした焚付け材をフェザリングしていきます。フェザリング中に失敗して出来た削りカスも集めておきます。バトニングやフェザリングが面倒であれば、スギの葉や小枝、木の皮(いずれも乾燥しているもの)を拾ってくれば代用出来ます。
(2)着火準備
1.ほどいた麻ひもとフェザリング中に出た削りカスを混ぜ、焚き火台に置きます。フェザリングしたフェザースティックにも少しほどいた麻ひもを絡ませておくとより着火しやすくなります。
2.バトニングした焚付け材の中で出来るだけ細いものを先ほど焚き火台にのせた麻ひもの上に数本組みます。
3.火口についた火を大きくしていくために下準備した焚付け材、フェザースティック、薪数本を焚き火台そばに準備します。
4.ファイヤースターター(メタルマッチ)をしごき、削られたマグネシウムの粉を先ほど焚き火台に乗せた麻ひもに振りかけます。(新品のファイヤースターターの場合は、ロッド(棒)表面の黒い塗装を削り落としてから使ってください。)
(3)着火作業
1.着火の際は安全のため革手袋を着用することをオススメします。また、着火の際は周囲に枯れ葉などの燃え移りやすいものがたくさんある場合は、それらを除去してから着火するようにしましょう。(直接焚き火台の上で着火作業をするのも良いですが、オススメは安定感のある長めの薪を地面に平らに置いて、その上にほどいた麻ひもを乗せ、そこに着火をする方がやりやすいと思います。)
2.ストライカーを持った手を火口のそばに持っていき、その手は動かさず、もう一方の手に持った棒(ロッド)の方をストライカーに当て、勢いよく引きます。
3.火口に火がついたら、火を焚き火台に移し、火が消えないように少しずつ細いものから順に焚付け材やスギの葉などをくべていきます。少し火が大きくなって来たらフェザースティックもくべます。
4.十分に空気が通るようにしながら少し太めの薪をくべていきます。必要に応じて火吹き棒で空気を送りながら火を大きくしていきます。
この一連の火起こし作業を流れるように出来れば、あなたも一流の焚き火名人です!
道具のご紹介
・焚き火台(ユニフレーム ファイアグリル)
ユニフレーム社のファイアグリル。ハードな使用にも耐える高い強度を持つつくりで、焚き火を楽しんだり、BBQや焚き火料理が出来たり、暖をとったりなど、1台あればさまざまな用途に活用でき、とても便利なギアです。関連商品も色々あり、ファミリーキャンプ初めての一台にオススメです。
・焚き火用広葉樹薪(白神の炎)
焚き火に最適な広葉樹ミックス薪に火付け用の針葉樹薪1本がセットされており、1日分(約5時間分)※を1箱にまとめた当社が製造・販売している商品です。
詳しい使用量は、当社の薪を使用した用途別(キャンプ・ソロキャンプ・料理等)の薪の量の目安を分かりやすく解説しているブログがありますので、こちらをご覧ください。
キャンプの予定に合わせて日数分の薪を購入して、現地で使い切ります。
ソロキャンプ用の焚き火台や薪グリルのサイズに合わせてあらかじめ長さを短く調節したものや、一般的な焚き火台で使いやすい長さのものなど、とても便利な薪です。よく乾燥させているので、パンパンと大きな火の粉が飛び散るような爆ぜ方はほとんどしないので、安全に焚き火を楽しめます。
※1日分はおおよその目安です。薪のくべ方や気温、風など条件によって多少前後します。
・ファイヤースターター(メタルマッチ)
ロッド、ストライカー、火吹き棒などがセットになった便利な商品があります。1,000円程度で購入でき、長く使えるので非常にコスパに優れています。水に強く、雨に濡れても水滴を拭き取れば使えるので、アウトドアには最適です。災害時の備えとして1本持っておくのもよいかもしれません。
・麻ひも
天然素材の麻ひも。火口専用の物を購入しても良いですが、クラフト用や荷造り用の麻ひもを購入して、適当な長さに切りそろえて使うのも経済的です。
切りそろえてひとまとめにしたものをファイヤースターターと一緒にしておけば、かなり長く使うことが出来ます。麻ひもはプレゼントの梱包などにも使えるので、家に一つあると便利です。
・ナイフ(モーラナイフ コンパニオン ヘビーデューティー)
スウェーデン産のアウトドアナイフ。大量生産品なのでリーズナブルですが、柄はラバー製で滑りにくく、バドニングも楽しめる刃の厚さもあるので、さまざまな用途に活用出来ます。ステンレス製のものはお手入れもしやすく、アウトドアの入門用ナイフとしておすすめです。
おわりに
キャンプには、あえて手をかける楽しさと、やっぱり手がかかると面倒臭いものとがあります。
よく言われるのが、
「薪の長さをノコギリで切って調整するのは疲れるし、面倒。」
「薪をナイフで割るバドニングは楽しい。」
「木の棒を使ってきりもみや弓切りなどで火種をつくり、火起こしするのは大変」
「ナイフでフェザースティックを作り、麻ひもをほどいて火口(ほくち)にしてファイヤースターターで火起こしは楽しい」
などがあります。
普段の生活において手間をかけることは面倒と感じる方も多いかと思いますが、日常から離れ、自然の中で行う焚き火には手間をかける楽しみがあります。
ターボライターやガストーチバーナーなどで火を付ける焚き火でも十分楽しいですが、火を付けるまでの手間を楽しみながらやる焚き火は、また違った楽しさがあります。
あなたなりのちょうど良い「手間加減」を見つけて、素敵な焚き火時間をお過ごしください。