人気のキャンプ焚き火ですが、始めたばかりの方からは、「一日のキャンプでどのくらいの量の薪が必要なのか分からない!」という声も多く聞かれます。
今回は、そんな声にお応えして、キャンプの焚き火で使う薪の量について、実験(当社の薪を使用)をもとに用途別(キャンプ・ソロキャンプ・料理等)の薪の量の目安を分かりやすく解説いします。
前提事項:薪の種類によって、燃焼時間は変わります。
薪には、針葉樹と広葉樹がありますが、それぞれ以下のような特徴があります。
- 針葉樹:火が付きやすいが、燃焼時間は短い
- 広葉樹:火が付きにくいが、燃焼時間は長い
油分の量と密度の違いが、火の付きやすさと燃焼時間に影響します。
使用用途によって使い分けよう!
焚き火の時は燃焼時間の長い広葉樹がベストです。
スキレットや鉄板で直火調理をする場合、針葉樹の薪がよいでしょう。
広葉樹と針葉樹の種類や違いについては、以下で解説しています。
→焚き火に使う薪は広葉樹がベスト!針葉樹は着火材として活用。
実験をもとにした用途別の薪の量の目安
今回は6つのパターンで薪の使用量を調査しました。
- ソロキャンプ焚き火の薪消費量
- 複数人でのキャンプ焚き火の薪消費量
- ソロキャンプでスキレットや鉄板で直火調理する時の薪消費量
- 複数人でのキャンプでスキレットや鉄板で直火調理する時の薪消費量
- ソロキャンプでダッチオーブンなどで直火調理する時の薪消費量
- 複数人キャンプでダッチオーブンなどで直火調理する時の薪消費量
それでは、一つ一つ詳しく解説します。
1.ソロキャンプ焚き火の場合
→5時間で約5kgの広葉樹薪を消費
〜条件〜
・1泊2日のソロキャンプで5時間の焚き火を実施
・無風〜微風程度の風
・着火時に2〜3本の薪をくべ、以後、火勢が弱まったら1本ずつ薪をくべる
・薪は「白神の炎」のソロキャンプ専用薪を使用。焚き火台はUCOミニフラットパックポータブルを使用
上記条件にて実証実験を行った結果、広葉樹薪の「白神の炎」約5kgを消費しました。
概ね1時間で1kgの消費なので、焚き火を楽しむ時間×1kgの量を用意すればよいかと思います。
ただし、これはあくまで焚き火を楽しむためだけの量ですので、寒い日に暖を取るために焚き火をする場合や、風の強い日などは、もう少し多めの量の薪を用意した方がよいかと思います。
2.複数人でのキャンプ焚き火の場合
→5時間で約10kgの広葉樹薪を消費
〜条件〜
・1泊2日の4名のキャンプで5時間の焚き火を実施
・無風〜微風程度の風
・着火時に3〜4本の薪をくべ、以後、火勢が弱まったら1本ずつ薪をくべる
・薪は「白神の炎」を使用。焚き火台はユニフレーム ファイアグリル1台を使用
上記条件にて実証実験を行った結果、広葉樹薪の「白神の炎」約10kgを消費しました。
概ね1時間で2kgの消費なので、焚き火を楽しむ時間×2kgの量を用意すればよいかと思います。
ただし、ソロキャンプ焚き火同様、これはあくまで焚き火を楽しむためだけの量ですので、寒い日に暖を取るために焚き火をする場合や、風の強い日などは、もう少し多めの量の薪を用意した方がよいかと思います。
3.ソロキャンプでスキレットや鉄板で直火調理する場合
→1時間ほどの鉄板調理で約2kg強の針葉樹薪を消費
〜条件〜
・1泊2日のソロキャンプで夕食を鉄板調理
・無風〜微風程度の風
・薪は「目屋の燈火」のソロキャンプ専用薪を使用。焚き火台はUCOミニフラットパックポータブルを使用
1時間ほどの鉄板調理で、約2kg強の針葉樹薪を消費しました。
(スキレットや鉄板で直火調理をする場合、針葉樹の薪を使うと火付きが良く便利です。)
朝・晩と使う場合でも5kgあれば十分足りるかと思います。
バドニングやフェザースティック作りなどで遊ぶ分もこの5kgでまかなえるかと思います。
4.複数人でのキャンプでスキレットや鉄板で直火調理する場合
→1時間ほどの鉄板調理で約3kg強の針葉樹薪を消費
〜条件〜
・1泊2日の複数人キャンプで夕食を鉄板調理
・無風〜微風程度の風
・薪は「目屋の燈火」のソロキャンプ専用薪を使用。焚き火台はユニフレーム ファイアグリル1台を使用
1時間ほどの鉄板調理で、約3kgの針葉樹薪を消費しました。
(スキレットや鉄板で直火調理をする場合、針葉樹の薪を使うと火付きが良く便利です。)
朝・晩と使う場合でも6kgあれば十分足りるかと思います。
バドニングやフェザースティック作りなどで遊ぶ分もこの6kgでまかなえるかと思います。
5.ソロキャンプでダッチオーブンなどで直火調理する場合
→1時間ほどの調理で約2kg弱の広葉樹薪を消費
〜条件〜
・1泊2日のソロキャンプで夕食をメスティンで調理
・無風〜微風程度の風
・薪は「白神の炎」のソロキャンプ専用薪を使用。焚き火台はUCOミニフラットパックポータブルを使用
薪に火が移り、ある程度火の勢いが落ち着いてからメスティンを火にかけ炊飯し、火から降ろしてむらしている間にもう一つのメスティンで湯を沸かし、レトルトカレーを温めました。
正味1時間ほどの調理で、約2kg弱の広葉樹薪を消費しました。
(ダッチオーブンや直火可のメスティンで直火調理をする場合、広葉樹の薪を使うと調理しやすいです。)
焚き火と調理を含め正味5時間であれば5kgあれば十分だと思います。
焚き火をもう少し長く楽しみたい場合は、焚き火を楽しむ時間×1kgの量をプラスで用意すればよいかと思います。
6.複数人キャンプでダッチオーブンなどで直火調理する場合
→1時間ほどの調理で約3kgの広葉樹薪を消費
〜条件〜
・1泊2日の複数人キャンプで夕食をダッチオーブン、メスティンで調理
・無風〜微風程度の風
・薪は「白神の炎」を使用。焚き火台はユニフレーム ファイアグリル1台を使用
薪に火が移り、ある程度火の勢いが落ち着いてからメスティンを火にかけ炊飯し、その後、ダッチオーブンで鍋を作りました。
正味1.5時間ほどの調理で、約3kgの広葉樹薪を消費しました。
(ダッチオーブンや直火可のメスティンで直火調理をする場合、広葉樹の薪を使うと調理しやすいです。)
焚き火と調理を含め正味5時間であれば10kgあれば十分だと思います。
焚き火をもう少し長く楽しみたい場合は、焚き火を楽しむ時間×2kgの量をプラスで用意すればよいかと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
寒いこの季節は外に出るのも億劫ですが、この時期だからこそ味わえるキャンプ焚き火の良さもあります。
ぬくぬくした格好で焚き火にあたり、温かいコーヒーや紅茶と一緒に、焚き火で焼き上げた焼き芋や焼きリンゴなどを食べる時間は何とも言えない至福の時間です。
気温や湿度、風の有無、一度にくべる薪の量、調理の内容などにより薪の使用量は変化するので、上記はあくまで目安となります。
余るより足りなくなることの方が困るので、慣れないうちは上記の量より少し多めに持っていくことをおすすめします。