焚き火や調理などで使う薪。皆さんはどこで調達しますか?
現地調達やキャンプ場に向かう道すがらで購入する場合、お目当ての広葉樹薪がなかったり、薪が品切れになっていたりして、満足いく焚き火やキャンプが出来ないなんてこともよく聞く話です。
そんな悲しいことにならないように、自宅近くのホームセンターであらかじめ薪を購入する方も多いかと思います。
今回は、そんなホームセンターで購入した薪を焚き火やキャンプで使う際に注意すべき点をご紹介します。
ホームセンターで売られている薪ってどんな薪?
①樹種、量、価格
東京、神奈川、千葉、埼玉などの首都圏のホームセンターでは、小さなダンボール箱に3kg前後の量で詰められた杉(スギ)などの針葉樹の小割り薪や、針金などでくくられた皮付きの広葉樹薪などが売られています。
価格は、3kg前後の針葉樹薪で600円前後、7〜8kg程度の広葉樹薪で1,000円前後くらいかと思います。通販より安く、キャンプ場で購入できる薪と同じくらいの価格でしょうか。
参考として、薪の必要量について当社の薪で実験し、用途別に解説しています。
②長さ・太さ
針葉樹の小割りの薪は長さ約30cm、割りは細めです。広葉樹の薪は長さ40〜35cm、割りは中割(7cm前後)です。
ホームセンターで薪を買う時の注意点
①どの薪をどのくらい買うか?
薪を買う前にまず初めに知っておいた方が良いことは、針葉樹の薪と広葉樹の薪の違いです。
針葉樹の薪は火付きは良いですが、火持ちは悪く、細いものはあっという間に燃え尽きてしまいます。
広葉樹の薪は火付きはあまり良くないですが、火持ちは良く、長い時間燃えてくれます。
薪の使用用途が焚き火である場合、針葉樹の薪だけだとあっという間に燃えてしまい、かなりの量を持参しないと焚き火を十分に楽しむことが出来ません。また、広葉樹の薪だけだと火付きが良くないので、慣れない初心者の方はなかなか火を付けることができず、焚き火を始めるまでにかなりの時間を費やしてしまうことがあります。
焚き火を楽しむためには、広葉樹の薪を中心に購入し、焚付け(火付け)用に針葉樹の薪が数本あることが理想です。
しかしながら、首都圏のホームセンターで売られている薪は針葉樹の薪が多く、広葉樹の薪は置いていないということも良くあります。近所のホームセンターに広葉樹の薪が置いてあればいいですが、置いてない場合は、周辺のホームセンターを探さなければなりません。
1軒1軒回るのは非効率なので、電話で広葉樹薪があるか確認をしてから買いに行く方が良いでしょう。
ホームセンターの針葉樹薪1箱(3kg前後)、広葉樹薪1束(7kg前後)を購入した場合、3〜4時間の焚き火を楽しめる量となります。季節や風の強さ、薪のくべ方などで変わりますが、1泊2日のキャンプでの使用を考えると、この量ですと少し足りないかもしれません。広葉樹薪をあと1束購入するとなると、合計で3,000円弱の金額になります。
広葉樹薪を探すのは面倒で、針葉樹薪だけ購入して焚き火をする場合は、ホームセンターの針葉樹薪は小割りのものが多いので、1箱でおよそ1〜1.5時間くらいしか焚き火を楽しめません。季節や風の強さ、薪のくべ方などで変わりますが、1泊2日のキャンプで十分に焚き火を楽しむためには3〜4箱を購入しなければならないので、合計で2,000前後の金額になります。
また、キャンプで使う場合、調理で使うのか、暖をとるために使うのか、焚き火としてただ眺めるためだけに使うのか、その目的によってどの樹種の薪をどの程度用意する必要があるのかが変わってきます。
調理で使う場合も、熾火(おきび)での調理なのか、直火での調理なのかでも変わってきます。
直火調理ならスギ・マツなどの針葉樹薪が良いですし、熾火調理ならナラやブナなどの広葉樹薪が良いです。暖をとるために使うのであれば、広葉樹の薪を足りなくなることがないように少し多めに買うのが良いです。
購入前に用途や利用時間などを考えて、どの薪をどのくらい買うかを決めてから購入しましょう。
②乾き具合を確認する
薪の品質や性能の良し悪しは、乾き具合が大きく関わります。
しっかりと乾いていない薪だと、火付きが悪かったり、煙が多く出たり、「パン!」と大きく爆ぜたりして、リラックスして焚き火を楽しむことが難しくなります。
ビニール袋に入っている薪であれば、中に水滴が出ていないかなど、確認してから購入すると良いでしょう。
しかしながら、段ボールに入っている薪や、針金で縛られている薪などは、手触りや見た目などでは乾き具合はなかなか分かりません。薪同士を拍子木のように叩いて高い音が出れば乾いているとよく言われますが、それも売り物の薪ではなかなか試せません。一度少量を購入して燃やしてみるか、含水計などを購入して水分量を測ってみるなどして、あまり乾いていない薪であったならば、次回以降の購入を見送るのが良いでしょう。
ちなみにメヤマキの薪は自然乾燥させた含水率15~20%前後の薪で火が付きやすく、すすや煙が少ないです。
ホームセンターの薪を使う時の注意点
①ソロ用の焚き火台で使う場合、ノコギリが必要
最近人気のソロキャンプ。ソロ用の焚き火台で焚き火を楽しむ場合、ホームセンターで売っている薪はサイズが長く、そのまま使えない場合が多いです。
安全に焚き火を楽しむには、焚き火台のサイズに合わせてノコギリで長さを調整する必要があります。かなり大変な手間なので、このノコギリでの長さ調整が楽しめない方は、ソロ用に長さをあらかじめ切りそろえた薪を通販で購入することをオススメします。
②薪の乾燥が十分でない場合、より安全や近隣への配慮が必要
ホームセンターで購入した薪の乾燥が不十分な場合、「パン!」と大きく爆ぜたり、煙が多く出たりします。大きく爆ぜると、赤々と燃える大きな炭の塊が周囲に飛び散ります。周囲に燃えやすいものがあるとボヤや火災に繋がったり、テントや洋服に穴をあけたり、人に当たれば火傷負ったりしてしまいます。
風向きを考え、隣の区画に煙や爆ぜた火の粉が行かないように、焚き火をする場所は十分注意して選ばなければなりません。
③梱包されていないものは木屑や樹皮で車が汚れる場合がある
段ボールやビニールなどで梱包されていない薪は、木屑や樹皮で車を汚してしまう場合があります。
車が汚れることが嫌な方は、薪を入れる専用袋や大きめのビニール袋に入れるか、あらかじめ段ボールなどに梱包されたものを選んで買うなど、汚れ対策が必要です。
いかがでしたか?
ホームセンターで薪を買う時、買った薪を焚き火やキャンプで使う時、それぞれ注意すべき点を知り、ご自身の用途や利用時間に合う薪を購入して、安全で楽しい、豊かな焚き火時間をお過ごしください。