代表の虎澤です。
なぜ私が西目屋村で薪づくりをしているのか、についてお話しするシリーズの4回目です。
(これまでの3回は以下からご覧ください)
前回は会社を設立し、事業を開始するに至ったところまでをお話ししました。
その後の現在にいたるまでの約4年間をダイジェストで振り返ります(笑)
会社設立初年度(2017年度)は、薪づくりに参加していただけるアルバイトさんこそ何人もいましたが、運営は私一人でした。初年度は最初に村に導入された薪ボイラー向けに薪をつくることとそれを運んで納品する、ということだけだったのでそこまでやることは多くなく何とかなりましたが、それでも東京に住んでいる私が現場に行けるのは月に1週間ほどで、それ以外の時のオペレーションは株主である役場の担当者さんや地元企業さんに助けてもらっていました。なんとかなったとは言っても実際はいろいろトラブルがあり、かなり迷惑をかけたことは非常に反省しているところです。
また初年度は薪づくりを行う場所も整備されておらず、とりあえず役場から使っていいと言われていた土場を使っていましたが、地面は整地されておらず雨が降るとぐちゃぐちゃになるような場所で、お世辞にも事業に適した場所とは言えませんでした。なんとか最低限必要な事業活動は行えましたが、1日の作業が終わりアルバイトさんが帰ったあと、たくさん作られた薪の山を見て「このあとどうしよう…」と途方に暮れていた(ほぼ毎日…)ことを今でも思い出します。あの時は辛かった…。
そんな運営状況を見かねて、2年目(2018年度)は役場が地域おこし協力隊を採用していただき、当社の事業運営のサポートに充てていただけました。協力隊も最初は全然応募がなくあきらめかけていたのですが、奇跡的に最終日に一人だけ応募があったのです。そのおかげで現場のオペレーションはスムーズになり本当に助かりました。
また問題だった作業場も、奇跡的なご縁でもともと製材所だった場所をご厚意で間借りすることができ、なんとか事業らしい場所を確保することができました。このご縁には感謝してもしきれません。
2年目は村の薪ボイラー導入2か所目となる融雪(ロードヒーティング)施設が完成し、当社がその運用を委託されました。これが雪の降る冬の間は昼夜2交代で運転しなければならず、薪ボイラーの稼働指示のため天気予報とにらめっこ、「確実に雪を融かさなければならない」というプレッシャーもあり、土日だろうが夜中だろうが気が休まらない日が続きました。このときは役場の担当者さんにも本当にご心配をおかけしました…。
2年目には、ほかにも奇跡的な出会いがありました。いまの現場マネージャーの嶋中さんとの出会いです。この年に参加した岩手県釜石市での林業スクールでたまたま一緒になりました。もともと青森出身ですが当時は東京で働いていた嶋中さん、実家がもともと製材業であったこともあり、当社の事業に非常に興味をもってもらいました。その後東京で何度も何度も(飲みながら)打合せを重ね、翌年度から当社にジョインしてもらうことになりました。
そんないきさつで3年目(2019年度)からは嶋中さんが加わり、できることが少しづつ増えてきました。視察研修の案内ができるようになったり、全国から同じような薪ボイラー運用地域の人に集まってもらい「薪ボイラーサミット」も開催したりしました。
地元の人むけに薪ストーブ用の薪も少しずつ販売を開始し、口コミで完売するなど、手ごたえを感じてきました。
4年目は本格的に薪の個人向け販売を開始することにしました。
これまではいわば村内向けの内向きの仕事だったのですが、やはり会社を立ち上げた目的は西目屋村を森林資源で元気にすること。そのためには村の外にも目を向けて、価値あるものを売ってお金を稼がなければいけないとあらためて思ったのです。原料となる広葉樹の調達にも目途がついてきたことや、販売体制(ECサイトなど)の構築に助成金が得られたことも後押ししました。
夏にWEBサイトが完成し、ECサイトも立ち上げました。立ち上げ直後はまったく注文が入らず(認知されていないので当たり前なのですが)、悶々とした日々が続きましたが、秋ごろから徐々に注文が入り始めました。実際に使ってくださったお客様の反応をSNSやメッセージで見ることができるようになり、高評価をいただいたことが一番励みになりました。
そんなことで現在にいたります。まもなく会社立ち上げから5年目、西目屋村に関わり始めてから8年目に突入しますが、これまで本当に奇跡的な出会いや周りの人たちの助けでここまで来れたと思います。この場を借りて感謝したいと思います。
今後はそれに加えて、いまこのブログを読んでいただいているお客様にも支えていただきながら、よりよい製品をお届けできるよう、そして西目屋村の良さを発信できるように取り組んでいきたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。