代表挨拶
西目屋村の発展に寄与できるように
当社は、青森県で一番人口の少ない村、世界自然遺産白神山地の入口にある西目屋村にて、村および村内企業との共同出資により2017年に設立しました。
同時期に村内施設に導入された薪ボイラーへの薪の供給事業からスタートし、現在は2か所の薪ボイラー施設への薪供給と施設運用を行っています。
燃料とする薪は村内の森林整備により発生した間伐材等を利用することで、森林資源の活用と地域内の経済循環、雇用創出による地域の活性化、地球温暖化防止への貢献を目的としています。
西目屋村は古くは炭焼きが盛んで隣の弘前地域へ木炭を供給するなど森の恵みを活かした暮らしが営まれていましたが、現在は林業や木材関係の仕事をする人は村内にいなくなり、人々の暮らしを支えていた里山も放置されてしまっている状態でした。しかしながらこの事業を始めたことで、村の人々の関心が再び里山に向けられ、「うちの山をどうにかしてほしい」「あそこの山を手入れしてほしい」などの声が徐々に大きくなってきました。
同時に、「薪を売ってくれないか」という問合せも増えてきました。青森では昔から暖房用に薪ストーブを使っている家が多いです。 かつては自分で木を伐って薪割りをしたり、縁故で薪を手に入れることができたのですが、近年はそういった方法で薪を調達するのが難しくなっているようです。 スローライフを楽しむために郊外や都市近郊でも薪ストーブを新しく設置する人もいて、薪の調達先を探している人は多いです。 また最近ではアウトドアでキャンプをする際に焚き火をするために薪を使う人も増えてきていると感じます。
当社でも徐々にいろいろな方面から薪の原料を入手し加工できる環境が整ってきましたので、こういった個人の薪ニーズに対してお応えしていくことにしました。白神山地と岩木山に抱かれた津軽青森の自然の恵みである薪を、多くの人に使いやすい形でお届けできるよう、努力して参ります。
薪を焚くことは、人間のもっとも原始的な行いであり、ゆらめく炎を眺めていれば時間を忘れて無心になれます。 人がいれば、炎の周りに自然とみな集まり、語り合います。 より多くの人が森の恵みである薪の暖かさに触れられること、またこの事業によって西目屋村という小さな村の持続可能な発展に寄与することができれば、これほど嬉しいことはありません。
西目屋薪エネルギー株式会社 代表 虎澤裕大